2023/04

 

企画展「御嶽昇仙峡国名勝指定100周年記念クリスタル・ロード」

県立考古博物館では令和5年度春季企画展「御嶽昇仙峡国名勝指定100周年記念クリスタル・ロード」を開催いたします。日本でも屈指の美しい渓谷である「御嶽昇仙峡」は大正12年3月7日に国の名勝に指定され、令和5年で名称指定100周年を迎えます。昇仙峡一帯は多くの水晶を産出する水源信仰の地であり、この地から産出した水晶を基に発達した山梨県のジュエリー産業は、現在でも日本屈指の高いシェアを誇っています。また、水晶は近現代においても人工水晶製造技術に繋がって、現代に大きな影響を及ぼしたとされ、令和2年には「甲州の匠の源流~水晶の鼓動が導いた信仰と技、その先進技術へ~」として日本遺産にも認定されました。水晶の歴史は文献的には江戸時代頃までしか遡ることが出来ない一方、山梨県域などにおいては考古資料中に水晶を用いた石器などが出土しており、古くから利用されているものと推察されています。さらに近年は水晶の原産地推定研究などにより、これまで明らかになっていなかった過去の山梨県産水晶利用の様子が明らかになっています。今回の展示では昇仙峡の名勝指定100周年を記念して、昇仙峡をはじめとする山梨県内の水晶を用いた考古資料を中心にご紹介するとともに、最新の研究成果から山梨県産水晶の歴史を明らかにします。

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山梨県立考古博物館ホームページ転載  印章と水晶貴石と表札とゴム印の今村栄商店